ボイストレーナーと聞くと何を思い浮かべますか?
発声や歌唱を教える仕事というイメージをお持ちの方が多いかと思います。実は発声(ボイス)と歌唱(ボーカル)というのは共通点が多いようで異なる部分も多いものです。なので世の中にはそれぞれを専門にしたボイスコーチ(発声専門)とボーカルコーチ(歌唱専門)が存在します。
この記事ではその違いやそれぞれの特徴について述べていきます。
発声と歌唱
最初に発声と歌唱についてです。
発声と歌は密接に関わりますが、教えるという点では専門性が全く異なります。
まず発声は言葉の通り、声を発することですが、これは身体の使い方が主になる分野です。そのため身体の筋肉や各器官のつながり、身体の動きについて詳しく理解している必要があります。
一方、歌唱は音程やリズムといった芸術的な側面を持ちます。いわゆるアートです。これは美しいと感じる音色やビートを生み出すことが主になるためどちらかというと身体よりも心の分野です。フィーリングともいえるでしょう。
まとめると発声には効率的な身体の使い方が求められるため、適解が存在しますが、歌唱には個々のフィーリングが乗るので正解がないということです。
ボイスコーチとボーカルコーチ
ここで主題にもなっているボイスコーチとボーカルコーチですが、こういった職業を聞いたことがありますでしょうか?
冒頭にも述べた通り、この2つの職業はボイストレーナーと一括りにすることが多いです。
- ボイスコーチ:発声に精通している(ピアノの調律師さん)
- ボーカルコーチ:歌唱に精通している(ピアノの弾き方の先生)
ボイスコーチとボーカルコーチには上記のような違いがあります。発声と歌唱の違いは前項で述べた通りですので、全く専門性が異なるのにも関わらず混同している状況です。
もちろんプレイヤーとしては共通項もたくさんあるので別々に考えすぎる必要はないですが(良い発声の延長に良い歌唱がある)、ティーチャーとしては別々に考える必要があると思います。
まとめ
- 発声と歌唱はティーチング視点では専門性が異なる
- それぞれを専門にした職業、ボイスコーチとボーカルコーチが存在する
- ボイストレーナーと一括りにすると専門性が見えにくくなる
③について補足すると、歌が上手になりたいと思い先生を探す時、ほとんどの場合で”ボイストレーニング”や”ボイストレーナー”と検索するでしょう。しかし、そのワードではボイスコーチとボーカルコーチが入り混じるため専門性の異なる先生が一堂に会してしまいます。そのため先生の来歴や得意ジャンルなどしっかり確認したうえで、自分のやりたいことを教えてくれる先生を探すことが上達への近道でもあります。
ちなみに私自身はボイスコーチですので発声に関して精通しております。正しい発声(声のこもり改善など)を学びたい方や声のメンテナンス、チューニング(安定した声の出し方)をしたい方はマッチすると思います。
今後も発声に役立つ知識を投稿していきますので、乞うご期待ください。
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